Current_Exhibition / Kalos Gallery

会期
 2010年1月11日(月・祝日)~ 3月6日(土)
 13:00~19:00、日曜月曜休み(初日を除く)、入場無料
※2月以降は、2/21以外の日曜も開廊します。

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(C) Nobuo Nakamura

2010年年初を飾り、福島県三春出身の写真家で、現在コマーシャル分野で活躍する一方、8x10の大型カメラでの作品作りをライフワークとしている中村ノブオの写真展『ニューヨーク・シティー・ブルース』を開催いたします。本展では中村が1980~1984年にニューヨークで撮影し、写真集『ハーレムの瞳』(築摩書房1985)で発表された作品とともに、ワシントンスクエアー周辺に集まる人々やゲイのコミュニティーを撮影した同時期の未発表作を含む銀塩モノクロ・プリント約22点が展示されます。

中村ノブオは東京写真専門学校卒業後、1970年に何もコネクションを持たずにプロの写真家を目指して無謀にもニューヨークへ渡ります。写真で独立するという自らの強い信念が幾多もの幸運を呼び寄せ、広告写真家のアシスタントに採用されます。その後経験を積み1981年にはフリーとして憧れの地で独立します。
30代の中村が写真家の可能性を試すために行なったのが、当時は治安が極端に悪かった黒人街ハーレムでの写真撮影でした。チャレンジ精神豊かな中村は、大胆にも誰も行なっていない8X10の大型ビューカメラでの撮影を開始します。ハーレムのストリートで三脚を立て、暗幕の中でピントを合わせるときは、緊張で 心臓の鼓動が聞こえ、冷や汗が流れたそうです。どこからともなくブルースが流れるハーレムの町中での撮影中、中村の頭の中では日本ブルース、演歌のメロディーが流れていたそうです。色々な幸運に恵まれて週末のハーレムでの撮影が数年間続きました。怖いからと隠し撮りしなかったこと、 奥さん、子供を同伴させたことが住民の暖かいサポートが得られた理由だったかもしれないと、中村は語っています。

今回、30年という長い時を経て、若かりしニューヨーク時代の作品が再現されます。8x10で切り取られた情景には、写真本来が持つ描写力や力強さが余すことなく表現され、同時に中村自身が持つ熱いスピリッツを感じることが出来ます。スタイリッシュで洗練された作品の数々は、暗い世相の現在においてこそ、見られる方々の心に響き、届くものと信じています。

○8×10とは
フィルムのサイズが8×10(インチ)であることから、「8×10(エイトバイテン)」と呼ばれます。
大きさは、A4用紙よりもやや小さめ程度で、現在実用レベルでは最大のサイズです。
この大判カメラは、箱にレンズとシャッターを取り付け、後ろにフィルムホルダーを装着しただけのシンプルな構造であり、カメラの原点とも言えます。しかしながらその解像力は、35mmフィルムの54倍もあり、数百万するデジタルカメラでもかなわないほど圧倒的と言われています。